<言われて嬉しい言葉の例>
・一緒にがんばりましょうね
・大切な人だから、ちゃんと治して欲しい
・ママ大好き、ずっと一緒にいようね
・いつもあなたのことを思っているから
・まわりに頼ること
・医学は日進月歩だから、いい薬も開発されているし大丈夫
・病気に負けたらいけないけど、たまに病気に甘えるのは許されるよ
・病名を聞いて涙が出た、早くあなたに会いたい
「頼ってね」「いつもここにいるから」「いつもあなたのことを思っている」といった寄り添う気持ちをあらわす言葉は、心や体が弱っている患者さんに勇気を与えます。
<言われると傷つく言葉の例>
・がんばって
・大丈夫?
・かわいそう
・前向きにならなくちゃダメ!
落ち込んでいたらダメ!
・どうして抗がん剤やるの?
私だったら絶対いや
・病は気から
・乳がんは、いま治るがんだから大丈夫
・もう治ったのでしょ、よかったね
・子どもはつくれるの?
・どことったの?
・おっぱいとったの?
・胸がなくなってもいまは再建できるしね
「知らないことからくる単純な反応」や「どうしようもない、失ったことへの強要」、あるいは「自分の価値観を押し付ける言葉」は、患者さんの心を傷つけてしまいがちです。
まわりから「かわいそう」と反応を何度もされると、「ああ、自分はかわいそうな人なんだ」と、心が沈んでいきます。がんになったことは「不運」かもしれませんが、悪意のない言葉で「不幸」にしてしまうこともあることを覚えておいてください。
引用元:あのひとががんになったら P.48~52 桜井なおみ